47. 文明の発展と衰退

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幸福のまじめな話

文明の発展と衰退について

文明は人間の知識欲求を満たすために、まだ発見されていない未知の分野を探究してゆくことで発展してゆきます。

知識欲求は文化、芸術、科学、法律、経済、スポーツ等のあらゆる分野で探究され研鑽されていく事で、より広く文明が発達してゆく拡張性を持っています。

この知識欲求は人間の心の成長に必要な生理的欲望であるため、満足してもまたその先の目標に向かってより深く詳細に探究を進めていく深層性を持っています。

研究もチームで取り組んで研鑽に努めますが、何年にも渡って世代を繋いで研究をしていくような継続性を持っています。

もう一つの生理的欲望の承認欲求拡張性、深層性、継続性をもっています。

学会や業界から実績や功績を認められて、世界中の人からからの注目を集めるようになります。

各分野の成功者は年齢に関係なく老若男女からも、幅広く称賛や賛辞の言葉を受けるようにもなります。

そして、創業者などの築き上げた実績や功労を子孫に引き継ぎ、名誉と由緒ある家系となってゆきます。

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心の成長に必要な知識欲求と承認欲求を満たそうとする欲望には、必ずその起点となる動機が存在します。

動機とは人間行動の原因であり、達成しようとする目的とゴールの目標立てる事です。

動機となる情熱の発露は、自己の欲望を満たしたいという強い願望です。

自己の欲望を満たす事で得られる、喜びと満足感を感じたいからです。

ここで問題なのが、自己の欲望を満たしたいという願望には、自己満足的欲望公的欲望が存在します。

自己満足的欲望の追求は、自己中心的欲望でもあります

自己中心的欲望は自分の欲望を満たす事が最優先で、他人の幸福の権利を奪い制限してでも自分を優先しようとする欲望です。

この自己満足的欲望を満たす事では、自分以外の人に喜びや感謝の心を抱かせる事は出来ません。

なぜなら、自己満足型欲望は他人と比較し、一方的な視点に立った行動で得れれる喜びなので、他人と喜びを共有する事が出来ません。

他人と比較して得られる優越感や、施しを与えたという自分勝手で傲慢な自己満足だからです。

やがて、孤独や不信感、猜疑心、妬み、嫉妬、逆恨みに心が占領されてしまい、自己破滅への道をいくようになります。

これに比べて、公的欲望を動機とする情熱は、自分の言動が他人に喜びと感謝の気持ちを抱かせ、他人の為にすることが自分喜びを増幅させ、他人に幸福が拡大するようになります。

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文明が発展するのは、知識欲求や承認欲求を追求しようとする動機が、良心に従った公的欲望で動機付けられていることが理由であると思います。

逆に、文明が衰退するのは、社会が良心に反し不正や不義に支配されてしまい、自己中心的、自国中心の欲望が動機となっているため、他人の幸福や自由を制限してしまい、文明が破滅し消滅してしまうのではないでしょうか。

偉大な文明の一つであるギリシャ文明は、たった50年の間に崩壊してしまいました。

不滅の帝国と言われたローマ帝国も420年で滅んでしまいました。

ローマ帝国はなぜ滅びたのか。

それは、外敵の侵略でもなく、地震、火災、洪水、飢饉などの理由ではない。

ローマ市民は大土地所有者や政治家の門前に、無料のパンを求めて群がった。

彼らの支持と人気を得るために、その大土地所有者や政治家は、彼らの一人一人にパンを与えた。

こうして、働かないで無料のパンを得る方法を覚えた市民たちは、次にはもて余した時間で退屈しのぎをするためのサーカスを求めた。

現在でいうレジャーである。

こうしてローマの市民たちは、無料のパンとサーカスの配給を受け、繁栄と福祉を楽しんだ。
しかし、「ただほど高いものはない」。

このときすでに、ローマ人やローマ社会の腐敗や、ローマ帝国の没落が確実に始まっていたのである。

責任や義務を負うことを忘れた市民たちは、権利だけを主張した。

エゴの氾濫(はんらん)と悪平等主義の流行である。

ローマは、市民の「パンとサーカス」に対する要求によって滅んだと言われている。

「修身」のすすめ  著:竹内均 参照

しかし、人間の歴史を見てみると、栄枯盛衰を繰り返しながらも、人間の個人の自由や権利が保障される時代を迎えている現代は、過去のどの時代よりも高い倫理観を人間が会得しているように思います。

人間に良心があるが故に、人類は確実に理想の社会へ向かって行くでしょう

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