心の成長に必要な欲望とは
人間の肉体の成長や完成に必要な要素として、食欲、睡眠欲、性欲が有る事をお話ししてきました。人間は体と心から成り立っているように、もう一つの心の成長と完成に必要な要素を見てみましょう。
それは内的生理的欲望の知識欲求、承認欲求、愛願欲求です。なぜ、生理的欲望かと言うと、人間が生まれた時から備えている欲望で、生まれてから体が無くなるまで、この欲望は一度満たされてもさらに欲しくなり求め、消える事が無いからです。
人間には、知識(Knowledge)感情(Emotions)意志(Will)を備えていて、
知識欲は真理(Truth)を探求し、感情は美(Beauty)に共鳴し、意志は善行(Good Action)を行うようになります。
何故でしょうか。
人間の心の成長に必要だからです。
人間の心とは、知識、感情、意志が一つになった融合したものだと言えます。
ですから、心の成長はこの三つの欲望を満たすことにより、喜びを感じ成長する様になるわけです。
知識欲求とは
知識欲求とは探求心、探究心、向上心、好奇心、向学心などです。
小さな子供が好奇心旺盛なのはその始まりであり、何処に行ってもこれも見たいあれも見たいと親の言うことも聞かずに、危ないことも顧みずに挑戦していく子供も多いです。
青年になっても冒険家になりたいと言っては、山に登り海に出て挑戦していく姿は、これも知識欲求の表れだと思います。
この知識欲求が人類を今日まで発展させ多くの発明を生み出した原動力になっています。
知識欲求が収まる事は無く、たとえ宇宙の果てまで行ったとしても、その先を知ってみたいという限りない探求心が、人間には備わっています。
宇宙の起源や人間の起源などを知りたいと思うのは、人間本来の持ち合わせた欲望の力です。
これを知ることにより知的欲求が満たされ幸福を感じるようになります。
電気自動車、太陽光発電、携帯電話、インターネットなども発明され、今ではNanoレベルの精密工場から、量子コンピューターまで開発されています。
知識欲求は生理的欲望の為に死ぬまでなくなる事が有りませんが、これは人間の創造性、創造力ではないでしょうか。
経済が豊かであれば、最高の教育環境を整えられるし、家族や友人との関係が良好で円満であれば、ストレスの少ない学習環境を提供できるでしょう。
知識欲求の強弱や知識の豊かさは、育った環境の違いにより影響を受けるので、前章で書いた社会的幸福の満足度と比例しています。
心の成長に、教育の向上は必ず必要で、知識を豊かにすることにより、真実を求める力が備わってゆくからです。
知識欲求が成長し、豊かに満たされていくと、知識が心から溢れてきて、自分が学んだ知識を他の人と分かち合いたいという思いが出てきます。
自分の知識を提供し社会に貢献したくなります。教授になって学生に教えたり、本を出版したり、学校を設立したりするようになります。
こうして、自分自身の知識欲求を満足させる喜びから、さらに発展し社会に貢献することによる喜びが、より一層幸福を感ずる事が出来るようになります。
この段階まで到達した知識欲求のことを、発展的知識欲求と呼びます。
次のトピック
7. 他人に認められたい願望の承認欲求とは
8. 愛は心の成長に必要
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