なぜ劣等感を感じるのか
何故、劣等感をかんじてしまうのか、次は劣等感について考えてみましょう。
優越感は他の人と比較することによる、自己満足的な承認欲求です。
周りの人と比較して、自分は他の人が買えない車や豪邸を持つことによって、羨ましいという羨望を受けることで、自己の承認欲求が満たされ喜びをかんじることです。
この自己満足型承認欲求は非発展的承認欲求とよび、自分だけは満足して幸福感を味わうが、周りの人に自己の幸福を共有する事がなく、発展していかない承認欲求だからです。
劣等感も同じように他の人と比較する事で、生じる感情です。
無人島に一人で生活すれば、自分の能力を比較する人がいないので、劣等感も優越感を感じる事はありません。
比較する事が悪いわけでは有りません。競争することも悪い事ではありません。
何が悪いのか?
比較する動機が悪いのです。
動機とは人間が持っている意志の方向性です。
前にも説明しましたが、人間の心は知識、感情、意志を持っていて、人間が完全に自由意志で心の思う通り行動すると、知識は真理を追求し、感情は美を追求し、意志は善行をするようになっています。
動機とは行動を起こす時、出発時に最終目的地を正しく決める事です。
登山と同じことです、登山計画をたてて、目的の山頂を目指します。
途中、困難で回り道をするかもしれませんが、最終目的地を目指します。
他の人と比較してしまう動機を見てみましょう。
比較して、もし自分が比較する相手より優れていたら、どのような感情を持つか考えてみましょう。
優越感、安心感、自己満足感、見下す心、蔑む心、自慢、誇り高ぶりを感じると思うのであれば、
自分が相手より劣っていると思った時、相手も同じ視線で自分を見下しでいるだろうと思い込んでしまいます。
そして、自分を自分自身が見下して、蔑み、いじめている状態が劣等感を感じている姿です。
自己満足型の承認欲求が満たされた時に優越感を感じ、満たされない時に劣等感を感じると言えます。
承認欲求が満たされ無い時とは、認めて貰え無い時、受け入れてもらえ無い時、賞賛され無い時、仲間外れにされた時などです。
自己満足型承認欲求が強い人ほど、それが満たされなかった時は、強い劣等感を感じてしまうのです。
比較する動機が間違っているといいましたが、他人との比較による自己満足型承認欲求ではなく、公的承認欲求(自分以外の人を喜ばせてあげたい、認めてあげたい、助けてあげたいなど、尽くす事によって他の人の感動と喜びを共有する事が出来る幸福感)に変えていくことにより、優越感や劣等感を感じ無い、承認欲求を追求すれば、それは心の成長要素となります。
認められる事より、認めてあげる事を
褒められる事より、褒めてあげる事を
賞賛される事より、賞賛してあげる事を
応援される事より、応援してあげる事を
許される事より、許してあげる事を
これらの言葉を思い出せば、他人を大切にするようになり、劣等感を克服していきます。
今、劣等感を感じている人も、他人と比較する事をやめて、発展的承認欲求を満たす事ができる、人を喜ばせてあげるようなことをしてみましょう。
次のトピック
11. なぜ欲望には際限がないのか
12. 平和になれない理由とは
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