悪魔はいるのか
以前、悪が有るから善が有るという考えは間違いであると書きました。
今回はその事から、話をすすめてゆき、悪魔の存在について話そうと思います。
巷では、悪と善を同等の位置に置いて議論しようとしますが、それは全く違う存在です。
悪と善は反対の方向の力です。
物体に光を当てると影ができます。これを善悪に例える事もありますが、光と影は反対の力ではなく、表と裏、プラスとマイナスのように対を表しています。
光は影を否定しません。磁石のプラスとマイナスはお互いに引き合います。
しかし、善は悪を否定し退けようとします。
全てが、善だけでも誰も不快に思う人はいないでしょう。
反対に悪がはびこっている世界は、誰も住みたいと思わないし、無くなって欲しいと思うでしょう。
悪が存在するから善も存在するとするなら、悪の世界を認める事になり、この世界から悪が無くならないと言う事に成ってしまいます。
悪の行為とは、残虐的です。
殺人、強盗、虐殺、暴行、強姦、虐待、拷問、蹂躙、復讐、恐怖、憎悪、破壊、不平等、不正義、不自由など、数えたらキリがありません。
悪を肯定する考えは、これらの行為は、地上から無くならないと言う事になります。
私たちが、理想する社会は、これらの悪が全く消え去る世界を目指します。
そうではないですか。
もし、貴方の親や子供が、悪の犠牲になったとしたら、仕方ないと言って受け入れるのですか。
違うと思います。
全ての人が、誰一人も悪の犠牲になら無いように願うのではないでしょうか。
では、全ての人が無くなって欲しいと願っている悪の存在とは何でしょうか?
たしかに、人間社会には悪なる行為が行われています。
悪については、社会心理学、西洋哲学、心理学、各宗教の視点から多くの意見や見解が発表されてきています。
道徳的悪、絶対悪、勧善懲悪、必要悪であるとか言われていますが、人間の行動や現象の結果から分析するのでは無く、悪の根本原因について話をすすめたいと思います。
諸悪の根源の解明です。
ここからの話は、最初に悪魔の正体は堕落した天使ルシファーと仮定して話してゆきます。
その、仮定を証明するための事実を提供して検証した結果が合致するのであれば、仮定が正しいという事となります。
悪の存在を認めるという事は、その悪を存在せしめた原因がなければなりません。
人間は昔からその原因の親玉を悪魔とかサタンと呼んできました。
昔から存在するなら、神様と悪魔が同時に存在していたのかという疑問が湧きます。
悪魔について、研究している学者や研究者によると、悪魔について記録されている書物は、唯一「聖書」だと言われています。
ー黙示録12章7-9節ー「天では戦いが起った。ミカエルとその御使たちとが、龍と戦ったのである。龍もその使いたちも応戦したが、勝てなかった。
そして、もはや天には彼らのおる所がなくなった。
この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経た蛇は、地に投なげ落され、その使たちも、もろともに投げ落された」
悪魔、サタン=年を経た蛇ということになりますね。
皆さんも良く知っている失楽園の物語に出てくるのが、この蛇です。
アダムとイブを騙して、神様との約束を破るようにそそのかしました。
その結果、神様が怒って、次のよう蛇にいいます。
主なる神は蛇に言われた、「おまえは、この事を、したので、すべての家畜、野のすべての獣のうち、最ものろわれる。おまえは腹で、這いあるき、一生、ちりを食べるであろう」ー創世記3章14節ー
また、ーペテロ第二の手紙2章4節ー「神は、罪を犯した御使たちを許しておかないで、彼らを下界におとしいれ、さばきの時まで暗やみの穴に閉じ込めておかれた」
ユダの手紙1章6節には「主は、自分たちの地位を守ろうとはせず、そのおるべき所を捨て去った御使たちを、大いなる日のさばきのために、永久にしばりつけたまま、暗やみの中に閉じ込めておかれた」と書かれている。
「ああ、お前は天から落ちた明けの明星、曙の子よ。
お前は地に投げ落とされた、もろもろの国を倒した者よ。
かつて、お前は心に思った。
『私は天に上り王座を神の星より高く据え、神々の集う北の果ての山に座し、雲の頂に登っていと高き者のようになろう』と。
しかしお前は陰府に落とされた、墓穴の底に」─イザヤ書14章12節~15節─
「今こそこの世の君は追い出されるであろう」―ヨハネ福音書12章31節―
「この世の神が不信の者たちの思いをくらませて、神のかたちであるキリストの栄光の福音の輝きを、見えなくしているのである」―コリント人第二の手紙4章4節―
「サタンよ、引きさがれ。わたしの邪魔をする者だ。あなたは神のことを思わないで、人のことを思おもっている」―マタイ福音書16章23節
「そのとき、十二弟子のひとりで、イスカリオテと呼ばれていたユダに、サタンがはいった」―ルカ福音書22章3節
まとめると、
- 巨大な龍=悪魔=年を経た蛇とよばれる。
- 天使ミカエルと戦った龍は負けて地に投げ落とされた。
- イブを騙して神様に呪われた蛇である。
- 蛇はイブを騙すほどの知恵があった。
- 神様の前で罪を犯したのは御使たちだった。
- 御使たちは、本来の地位を捨てさってしまった。
- 御使たちは永久に縛られる、永久な存在である。
- 神のように、高い地位につこうとした。
- 天から地に落とされた者の名前は『明けの明星』と呼ばれた。
『明けの明星』の別名はルシファーと呼ばれる。(金星の別名で朝に輝く星だから)
以上の事からキリスト教では悪魔は堕落した天使で、名前はルシファーということになります。
では、悪魔の正体が、この天使長ルシファーだという証拠を見てみましょう。
- 悪魔は、人間積極的にに影響を与えてきた。(神の意図を知っている)
- 悪魔は、良心が望まない性格を持つ。(騙す、嘘つき、責任転嫁、恨み、嫉妬、妬み)
- 悪魔は、個人の良心に対して反抗し、良心の望まない悪なる行動へ導く。(善に反抗)
- 悪魔の誘惑は24時間、絶え間なく誘いかけてくる。(時間を超越)
- 人種や民族、国や地域の関係なく、全ての人間に悪魔の誘惑が行われる。(空間を超越)
- 歴史を通して、絶えず戦争と殺戮が行われてきた。(残虐、無慈悲)
- 世界の支配者のような振る舞いをする。(傲慢、不遜、叛逆)
悪魔は、人間に影響を与え、人間を騙し誘惑し、神の意図(善)を知っていて、善に叛逆し、戦いを挑んで来た霊的存在です。
このような存在は、天から追放された天使長ルシファーしかいないということになります。
このような事実を見れば、まさしく、悪魔は存在するのです。
歴史は神と悪魔の戦争のようです。
しかし、現代に至って、個人の自由や人権が保証されるようになって来ました。
ある国で災害が発生すれば、世界中から救助や支援が届きます。
犯罪者も世界中どこに行っても逃げられません。各国が協力しているからです。
国際司法裁判所やインターポールという国際刑事警察機構も設立されています。
このように、神様が悪魔に対して勝利を拡大してきています。
やがて、悪魔が敗北して、この地上からも悪が完全に根絶される日を願っています。
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